病院の勤務環境改善講座
勤務環境の改善は、どこから手をつけるのか
医療法は病院に、医療従事者の勤務環境の改善を求めています。
2024 年の医師の上限規制で守るべき決まりになり、2027 年には認定制度が始まります。
医師、看護職員、事務職員まで、国の資料の順に 7 章で解説します。
解説の元は、医療法と労働基準法の条文、厚生労働省の医師の働き方改革の推進等に関する検討会の資料(2026 年 10 月 10 日に確認)、令和 8 年度診療報酬改定の資料、日本看護協会の調査です。
検討会の資料、診療報酬の改定、看護協会の調査、改正法の政省令が出たら更新します。
講座は「国の資料にこう書いてある」までを伝えるもので、個別の労務の判断はしません。
この講座の要点
厚生労働省「勤務環境改善マネジメントシステム導入の手引き(改訂版)」を元に(第 1 章、第 7 章)
- 医療法は病院に勤務環境の改善を努力義務として求め、2024 年の医師の上限規制で守るべき決まりになり、2027 年 4 月には認定制度が始まります。対象は医師に限らず、看護職員から事務職員までです。
- 週 60 時間以上働く病院の常勤医は 39.2% から 15.0% に減りました。残る課題と使える支援(都道府県の勤改センター、基金、診療報酬の評価)を、国の資料の数字で確かめられます。
- 病院ドックは厚生局の届出データから、勤務環境にかかわる施設基準の全国の届出率を集計しています。自院の届出は施設基準ページで確かめられます。届出の有無は体制の一面で、優劣ではありません。
数字で見る
時間外・休日労働が年 960 時間(A 水準の上限)に相当する週 60 時間以上の割合。4 回の調査で着実に減りましたが、外科、救急科、産婦人科では 2 割を超えます。
出典: 厚生労働省「医師の働き方改革に係る現状等」令和 8 年度 医師の働き方改革の推進等に関する検討会 第 1 回 資料 2-1(2026 年 7 月 13 日)(2026 年 10 月 10 日取得)
届出の有無は体制の一面です。病院の規模や機能によって、届け出る必要のない基準や、要件を満たせない基準があります。自院の届出は施設基準のページで確かめられます。
出典: 地方厚生局の届出受理医療機関名簿(公表基準日 2026年9月1日 以降)から病院ドックが集計。有効な届出だけを数え、分母は診断対象(20 床以上)の全病院。
左は国の調査(病院の常勤医の 1 週間の労働時間)、右は病院ドックが厚生局の名簿から集計した全国の届出率です。届出の有無は体制の一面で、病院の優劣ではありません。病院ごとの届出は施設基準のページで確かめられます。
章の一覧
- 第1章 勤務環境改善は、病院の努力義務です 医療法第 30 条の 19 の努力義務、2014 年からの経緯、マネジメントシステムの 7 つのステップ、2027 年 4 月に始まる認定制度。
- 第2章 医療勤務環境改善支援センターという相談先 都道府県が置く無料の窓口。社会保険労務士と医業経営コンサルタントの 2 種のアドバイザー、相談の中身、利用の流れ、岡山県と高知県の例、2027 年の機能強化。
- 第3章 医師の働き方改革、施行から 2 年 5 つの水準、追加的健康確保措置、宿日直許可と自己研鑽、時短計画と評価センター、実態調査(39.2% から 15.0% へ)、2026 年度の検討会の論点。
- 第4章 看護職員の確保と夜勤 看護師等確保基本指針(2023 年改定)、夜勤の負担と月 72 時間、処遇改善の 2 つの評価料、離職率は小さい病院ほど高い、2040 年の検討会。
- 第5章 タスク・シフト/シェアと業務の効率化 2021 年の通知と 13 職種の業務、意識と知識と余力、特定行為研修、医師事務作業補助者と看護補助者、ICT と DX、負担軽減の取組の実施率。
- 第6章 診療報酬と基金が評価する体制 勤務環境にかかわる 8 つの施設基準と要件、令和 8 年度改定(加算 2 と評価料)、全国の届出率、基金の区分と 2027 年の新区分、認定制度。
- 第7章 ハラスメント、両立、そして計画を作る 2026 年 10 月に義務になったカスタマーハラスメント対策の 5 つの柱、院内のハラスメント、育児と介護との両立、ストレスチェック、マネジメントシステムの 5 つのシートで計画を作る。
道具
医療法と労働基準法の条文、厚生労働省の検討会の資料、診療報酬改定の資料、手引きと、日本看護協会が公表した調査をもとに、病院ドック編集部がまとめました。
国が監修したものではありません。
労務の適用は個別の事情で異なります。判断に迷うときは、都道府県の医療勤務環境改善支援センターへご相談ください。
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