自己点検 — 自院の勤務環境の点検 20 項目

病院の勤務環境改善講座の 7 章の観点を、20 の点検項目にしました。
自院にその体制が「ある」「ない」「分からない」で答えると、見直す項目と、詳しい章が分かります。
項目は講座の判断ではなく、国の労務管理チェックリスト、勤務環境改善マネジメントシステム導入の手引き、医療法と診療報酬の要件、厚生労働省の検討会の資料を元にしています。

回答はこのブラウザの中だけに保存します。サーバーには送りません。別の端末やブラウザには引き継がれません。
点数や合否、認定の準備ができた旨の印は出しません。2027 年 4 月に始まる認定制度の要件は政省令で決まります。

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下の項目に答えると、ここに見直す項目が出ます。

法と体制3 項目

第 1 章。努力義務の受け皿になる院内の体制と、労働時間の決まり

1 勤務環境改善を進める多職種のチームか、担当者が決まっている。

国の手引きは、方針を示したうえで多職種の推進体制を作ることを最初のステップにしています。
まずは事務長と看護部長と医師の 3 人で、現状を書き出すところから始められます。
手引きの推進体制整備シートがひな型になります。

2 36 協定を結び、労働基準監督署に届け出ている(医師の特別延長時間を含む)。

1 日 8 時間、週 40 時間を超えて働かせるには 36 協定が要ります。
医師を含む様式は 2026 年 2 月から電子申請できます。
協定の中身は勤改センターの労務管理アドバイザーに見てもらえます。

3 職員の労働時間を、タイムカードや勤怠システムなど客観的な方法で把握している。

労働時間の把握は、すべての職員について使用者の義務です。
地域医療体制確保加算は、医師の労働時間を客観的な方法で把握することを令和 6 年度から要件にしています。
勤怠システムの導入は基金の補助の対象になることがあります。

支援の利用2 項目

第 2 章。都道府県の医療勤務環境改善支援センター(勤改センター)

4 自院の都道府県の医療勤務環境改善支援センター(勤改センター)の窓口と連絡先を知っている。

勤改センターは全都道府県にあり、いきサポに一覧があります。
医業経営の窓口と労務管理の窓口が別の都道府県もあります。
連絡先を院内の担当者で共有しておくと、相談したいときにすぐ使えます。

5 勤改センターに相談したことがある。または、相談できる内容と使い方を知っている。

相談は無料で、利用したことをきっかけに労働基準監督署の立入検査が行われることはないと国が明記しています。
労働時間の管理や宿日直許可の相談が多く、訪問や院内研修もあります。
使ったことがある病院は 500 床以上で約 8 割、100 床未満で約 2 割です。

医師5 項目

第 3 章。上限規制、宿日直許可、面接指導、勤務間インターバル、研鑽の区分

6 医師が行う宿日直に労働基準監督署の許可があるかどうかと、許可の範囲を院内で共有している。

許可のある宿日直の待機時間は労働時間に数えません。
許可があるかどうかを知らない医師が 3 割います。
許可の申請は勤改センターが伴走していて、宿日直許可の FAQ もあります。

7 医師ごとに適用する水準(A 水準か特例水準か)が決まり、特例なら都道府県の指定を受けている。

原則は A 水準の年 960 時間です。
それを超える見込みの医師がいるなら、時短計画を作り評価センターの評価を受けて都道府県の指定を受ける必要があります。
副業や兼業の先の労働時間も通算します。

8 時間外と休日の労働が月 100 時間以上になる見込みの医師に、面接指導を行う体制(面接指導実施医師)がある。

面接指導は A 水準の病院にも義務です。
講習会を修了した面接指導実施医師が 1 万 5 千人を超えていて、院内の医師が受講できます。
直属の上司を面接指導実施医師にしない配慮をしている病院が多数です。

9 勤務間インターバル(9 時間)と代償休息の運用が決まり、勤怠システムなどで確認できる。

A 水準では努力義務、特例水準では義務です。
勤怠システムで確認できる病院が増えています。
変形労働時間制やタスク・シフト/シェアと組み合わせて確保している例があります。

10 労働時間にあたる研鑽と、あたらない研鑽の区分を定めた規程があり、運用している。

規程があり運用している病院は 4 割弱で、無い病院が 6 割近くあります。
診療と教育と研究の切り分けが難しいという理由が多いので、国の Q&A と時短計画ガイドラインの例を元に、自院の区分表を作るところからです。

看護職員3 項目

第 4 章。夜勤の負担軽減と処遇改善の評価料の使途

11 看護職員の月平均夜勤時間を確かめ、夜勤を含む負担の軽減の計画を作っている。

入院基本料は月平均夜勤時間 72 時間以下が要件です。
令和 8 年度の改定で、看護職員夜間配置加算などの計画に夜勤を含む勤務状況の把握と取組が求められました。
計画は職員に周知し、取組事項を院内に掲示します。

12 夜勤の途中の休憩と、仮眠の場所がある。

看護師等確保基本指針は、実労働 8 時間超で 1 時間以上の休憩と、夜勤の長さに応じた仮眠時間、労働安全衛生規則に則った仮眠の場所を求めています。
仮眠室や休憩スペースの整備は基金の支援の対象です。

13 看護職員処遇改善評価料とベースアップ評価料の収入の使途(賃金の改善、夜勤手当)を記録し、報告している。

評価料は賃金改善の合計額の 3 分の 2 以上を基本給か毎月の手当の引上げに充てることが要件です。
令和 8 年度の改定で、夜勤手当の増額に充てられるようになりました。
様式と報告の時期は厚生労働省のベースアップ評価料の特設ページにあります。

業務の分担と効率化3 項目

第 5 章。タスク・シフト/シェアを進める体制と ICT

14 役割分担を進めるための委員会があり、管理者が出席している。

負担軽減の計画を要件にする加算は、委員会や会議での検討を求めています。
管理者が出席している病院は 4 割強です。
委員会は、タスク・シフト/シェアの機運を病院全体で上げる場になります。

15 業務を受ける職種に、必要な知識と技能の研修の機会を用意している。

2021 年の通知は、進めるために意識、知識と技能、余力の 3 つが要ると書いています。
特定行為研修の修了者の活用ガイドや、医師事務作業補助者の手引きが国から出ています。
研修の費用は基金の事業の対象になることがあります。

16 勤怠管理、音声入力、見守りなどの ICT を入れている。または、検討している。

令和 8 年度の改定で、ICT を組織的に使う病棟は看護要員の配置基準が柔軟になり、医師事務作業補助者の配置基準も柔軟になりました。
国は業務の DX 化に 200 億円を計上しています。
導入の費用は勤改センターの医業経営アドバイザーに相談できます。

診療報酬の要件2 項目

第 6 章。届け出ている加算が求める計画と見直し

17 届け出ている加算が求める「負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」を作り、職員に周知し、院内に掲示している。

医師事務作業補助体制加算、急性期看護補助体制加算、看護職員夜間配置加算などが共通して求める計画です。
現状の勤務状況を把握し、問題点を抽出し、具体的な取組と目標達成の年次を書きます。
計画は職員に周知し、取組事項を院内に掲示します。

18 計画に目標達成の年次があり、年に 1 回見直している。

国の手引きの 7 つ目のステップは評価と改善で、成果を測って次のサイクルにつなげます。
2027 年 4 月の認定制度も、計画の進捗と効果を評価する委員会と、年 1 回以上の公表を要件にしています。
見直す日を決めておくと続けやすくなります。

ハラスメントと両立2 項目

第 7 章。カスタマーハラスメント対策と、育児や介護との両立の制度

19 患者や家族からのハラスメントへの方針を示し、相談窓口を決め、職員に周知している。

2026 年 10 月 1 日から全事業主の義務です。
指針は、方針の明確化と周知、相談体制、事後の対応、抑止のための措置、プライバシーの保護の 5 つを求めています。
医療分野の業種別マニュアルは国が作成中で、医療現場向けのポスターと動画は公開されています。

20 産休と育休、短時間勤務、介護休業の制度を規定している(医師も対象)。

育児・介護休業法に基づく制度は就業規則に定めます。
女性医師の 8 割が育休を取っていますが、取らなかった理由に「制度がなかった」が残っています。
国の労務管理チェックリストの 5 の項目で、規定の漏れを確かめられます。

この点検のあとに

見直す項目は、詳しい章で、国の資料がどう書いているかと最初の一歩を確かめます。
計画の作り方と年に 1 回の見直しは第 7 章にあります。
印刷した結果は、都道府県の医療勤務環境改善支援センター(勤改センター)に持って行くと、相談の出発点になります。
労務の適用は個別の事情で異なります。判断に迷うときは、都道府県の医療勤務環境改善支援センターへご相談ください。

  • 労務管理チェックリスト(いきサポ)勤務環境改善マネジメントシステム導入の手引き(改訂版)の支援ツール
  • 医療分野の「雇用の質」向上のための勤務環境改善マネジメントシステム導入の手引き(いきサポ)7 つのステップと 5 つのシート