用語集 — 講座に出る言葉
世界と日本の医療保険講座に出る言葉を、4 つの区分で並べました。
各語に、出てくる章を付けています。
五十音順ではなく、型と考え方、歴史、国の仕組み、数字の順です。
型と考え方
社会保険と税の方式、給付の形、かかり方(第 1、3、5 章)
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社会保険方式
法律で加入が義務づけられ、保険料を主な財源として給付を行う仕組み。
白書は、保険料の拠出と給付が対価的な関係にあり、税方式より給付の権利性が強いと説明している。
日本、ドイツ、フランス、韓国の医療はこの方式。 -
税方式
保険料ではなく、主に税を財源にして給付を行う仕組み。
英国の NHS と、スウェーデンのレギオンの医療はこの方式。 -
社会保障給付費
国立社会保障・人口問題研究所が ILO の基準で集計する、社会保障の給付の総額。
2023 年度は 135 兆 4,928 億円で、医療が 33.6%、年金が 41.6%、福祉その他が 24.7%。 -
社会支出(OECD 基準)
OECD の基準で集計する社会保障の支出で、国際比較に使われる。
社会保障給付費と比べて、施設整備費など直接個人には帰着されない支出まで含む。 -
現物給付
医療そのものを給付する形。
患者は窓口で自己負担分だけを払い、残りは保険者が医療機関に払う。
日本の医療保険はこれが原則で、1950 年の勧告も療養の給付を原則として現物給付で行うとしていた。 -
償還払い
患者が窓口でいったん費用を払い、あとで保険から払い戻される形。
フランスの外来はこれが基本で、払い戻される割合を償還率という。
入院などは医療機関に直接払われる。 -
フリーアクセス
患者がどの医療機関にも制限なく受診できること。
白書は日本の医療保険の特徴に挙げている。
フランスとドイツは、かかりつけ医の登録制を持ちながら外来はフリーアクセス。
歴史
ドイツの疾病保険法から NHS と 1950 年の勧告まで(第 2 章)
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疾病保険法(ドイツ)
1883 年にドイツで作られた、医療保険に相当する法律。
白書は世界初の社会保険と書いている。
もとからあった職員や労働者の共済組合を保険者にして作られ、今の疾病金庫につながっている。 -
ベヴァリッジ報告
1942 年にベヴァリッジが英国政府に出した報告。
「ゆりかごから墓場まで」のスローガンの下、社会保険を社会保障の主要な手段とした。
白書は、日本の 1950 年の勧告もこの報告をふまえたと説明している。 -
社会保障制度に関する勧告
社会保障制度審議会が 1950 年 10 月 16 日に出した勧告。
社会保障の中心を社会保険とし、国民皆保険を提唱した。
療養の給付は原則として現物給付で行うとした。 -
国民保健サービス(NHS)
英国の医療の制度。
1946 年の国民保健サービス法にもとづき 1948 年に作られ、税を財源に全住民に原則無料で医療を提供する。
救急を除き、登録した GP を通して病院の専門医にかかる。
国の仕組み
ドイツ、フランス、英国、スウェーデン、アメリカ、韓国の制度の名前(第 3、5 章)
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疾病金庫
ドイツの公的医療保険の保険者。
地区や企業などを単位とする公法人で、2026 年 1 月現在 93。
介護保険の介護金庫も、疾病金庫が運営する。 -
一般社会拠出金(CSG)
フランスで 1991 年に入った、所得にかかる社会保障のための拠出金。
税率は原則 9.2% で、医療保険などの財源になる。
2024 年は医療保険の財源の 23.5%。 -
レギオン
スウェーデンの広域自治体。
20 のレギオンと、どのレギオンにも属さないゴットランドの計 21 の広域自治体が医療を担当し、医療機関を置いて運営する。
費用は主に住民の所得税でまかなう。 -
一般家庭医(GP)
英国で、住民が登録して最初にかかる医師(General Practitioner)。
救急を除き、まず GP の診察を受け、必要なら GP の紹介で病院の専門医にかかる。 -
メディケア
アメリカの、65 歳以上の高齢者と 65 歳未満の障害者などの公的な医療保険。
低所得者の医療扶助のメディケイドとともに 1965 年に作られた。
2024 年の加入はメディケア 6,436 万人、メディケイド 5,944 万人。 -
医療制度改革法(ACA)
2010 年にアメリカで成立した法律(Affordable Care Act)。
個人は一定の条件を満たす医療保険への加入を義務づけられた。 -
高齢者長期療養保険
韓国の介護保険。
2008 年に入った社会保険で、保険者は国民健康保険公団。
利用は原則 65 歳以上で、自己負担は施設 20%、在宅 15%。
数字
OECD の報告書と、通貨のそろえ方(第 4 章)
厚生労働白書、海外情勢報告、OECD の資料の言葉を、事務長向けに言い換えたものです。
正確な定義は各資料を参照してください。
国民皆保険、保険者、高額療養費制度は医療費の見える化講座の用語集に、平均在院日数と介護保険は医療制度の歩み講座の用語集にあります。
国の仕組みは厚生労働省の 2025 年 海外情勢報告、数字は OECD の Health at a Glance 2025 によります。国ごとに数字の年と定義が違います(各図の注を参照)。国の優劣を示すものではありません。